就活中に顔面神経麻痺になった話【WEBデザイン職業訓練_番外編】

就活中に顔面神経麻痺になった話【WEBデザイン職業訓練_番外編】 キャリアチェンジ

職業訓練校の修了が1ヶ月半後に迫った2023年8月の中頃、突然顔の右半分がうまく動かせない症状に見舞われました。

トヨモト
トヨモト

このページは、「顔面神経麻痺」になってから快方に向かうまでの症状の変化や、暮らし方で工夫したこと、症状が出ているあいだの職業訓練校での過ごし方や就活についてなど、自身の体験をもとにまとめています。

この記事はとよもとの経験をもとに、あくまで「体験談」としてまとめています。この記事と同じような症状だとしても、重大な病気の予兆かもしれません。早めの受診がカギとなる症状です。少しでも心配ことがありましたら、早めに受診されることをおすすめいたします…!

発症

2023年8月14日
この日、朝起きた瞬間から、なんだか口元の動きがいつもと違うような、かすかな違和感がありました。
不思議に思いながらもいつも通り身支度をしていたのですが、歯みがきをしているとき右側だけ口がうまく閉じられずに水が溢れてきてしまって、そこで「あきらかになんかおかしい」と一気に怖くなりました。

その日はオンライン授業の日で、自宅からJavaScriptについての講義を受ける時間割でした。
顔の半分がうまく動かせない以外の不調はなかったので、注意深く症状をみながら、休み時間にネットでいろいろと調べ、症状から「顔面神経麻痺」ではないかとあたりをつけました。

【発症当日】耳鼻咽喉科を受診

授業を終えたあと、隣町の耳鼻咽喉科を受診しました。
先生からも「おそらく顔面神経麻痺だろう」と言われ、その場では処置をするでも薬が出るでもなく、紹介状を作成してもらい、翌日の朝に大学付属の病院を受診することになりました。
⁡大きい病院に、自分がかかりに行くのははじめてだったので、とても緊張したのを覚えています。

夜のうちに、クラス担任のアシスタントさんに事情を説明し、翌日は診察を受けるために欠席することになりました。ここで、とよもとの最低限の目標だった「すべての講義に出席する」が達成されなくなってしまい、かなり気落ちしました。。

顔面神経麻痺について調べてみると、「入院になる可能性もある」ということがわかったので、念のため心の準備と、万が一診察後即入院となった場合のために、ある程度の着替えや必要そうな荷物をまとめたバッグを作っておくことにしました。

とよもとはひとり暮らしなので、こういうときに頼れる家族が近くにいません。
不安でいっぱいでしたが、とよもとのSNSでの発信を目にした友人が心配して連絡をくれたので、万が一即入院となった場合は、その友人に準備したバッグを持ってきてもらうようお願いしよう、と考えたりしました。

徐々に右側の動かしづらさは増していき、眠りにつくまで「なんでこんなことに…」「大きな病気だったらどうしよう」「就活中なのに」「そもそも明日からの授業には出られるのか?」などいろんな思いが頭を巡り、不安な気持ちに押しつぶされそうな夜でした。

【発症の翌日】大学病院を受診

2023年8月15日
朝一番で、大学病院の耳鼻咽喉科を受診しました。

聴力検査や採血、問診などを経て「ウイルス性の神経麻痺だろう」という診断でした。
ストレスが原因でウイルスが抑え込めなくなっているような状態とのこと。

入院して点滴で投薬するか、飲み薬を処方してもらって帰宅するか、いずれかの治療になるとのこと。
先生に聞いたところ、どちらを選択しも効果に大差はないとのことだったので、飲み薬を処方してもらい、自宅で過ごすことにしました。
念のため、翌月に、脳に異常がないかを調べるためのMRI検査の予約を取り、その日は帰宅しました。

先生からは、「薬を飲んでいても今週一週間は悪化すると思っておいてください」ということ(そういうものらしいです)と、「完治するか後遺症が残るかは来週の診察で判断できるだろう」と教えていただき、不安ながらもまずは診察を受けたことで多少は安心したような一日でした。

この時点で症状が出て二日目。
顔の筋肉だけでは右目と口が完全に閉じられず、うまく喋れなくて食べたり飲んだり寝たりがしづらいような状態でした。

【発症から5日】発症後 初の対面授業

2023年8月18日
お盆過ぎの時期ということもあって、しばらくオンライン授業が続いていたのですが、この日はひさびさに対面で授業がありました⁡。⁡
⁡発症してから初登校なのでいろいろ考えて気が重かったのですが、先生に相談して、事前に今どういう状態なのかをクラスのみんなにお知らせできたのでありがたかったです。

⁡⁡あきらかに様子がいつもと違ううえに発話もしづらくなってきたのもあり、また、感染する類のものじゃないことも伝えておきたかったので、いろいろと配慮いただけて助かりました。

とくに困ったこと…飲みづらい・食べづらい

当時のSNS投稿には「普段無意識にやっていたことがままならないというのは、とてもストレスになる」と書かれていました。
飲み物はコップやグラスから直接飲むことができません。(口の右側が、顔の筋肉だけでは閉じていられないので、漏れてきてしまうのです)
ストローを口の左端に咥えて、右側の口の端を手で塞ぐことでなんとか飲める、といった感じでした。

お米などの細かいものも、ぽろぽろとこぼしてしまい食べづらいので敬遠しがちでした。

とくに困ったこと…眠れない・目の疲れが取れない

うまく目を閉じられないので、眠るときも困りました。
アイマスクをしていても、その下では目が開いているのであまり意味はなく…サージカルテープでまぶたの上下を貼り合わせて、その上からアイマスクをして寝る、など…いろいろと試行錯誤しました。

とよもとは、もともとドライアイなうえ、無事な方の目の視力が壊滅的に悪いので、ものを見るのがすごく疲れました。
訓練校での授業中はPC画面を見続けているので、より目の疲れがひどく、しんどい日が続きました。

⁡⁡⁡本来なら発症直後のこのくらいの時期は、目を酷使しないように、のんびり景色など見たりして過ごすべきところなのですが、そうも言っていられず…なんとかごまかし誤魔化し過ごした感じでした。

とくに困ったこと…ストレスが原因なのにストレスが溜まる

⁡周りが本格的に就活をし始めてるこのタイミングで、やるべきことが満足にやれないということが、とんでもなくストレスでした。
ストレスそのものがこの症状の原因のひとつなので、⁡あまり悲観的にならないように過ごすべき、とは思うものの、状況的になかなか難しく…そのあたりもしんどかったです。


と、いろいろ思うことはあれど、このとき一週間ぶりくらいにクラスのみんなに直接会ったら、かなり元気が出たので、仲間がいることのありがたみをひしひしと感じました。

⁡⁡緊張しながら登校したこの日、クラスの友人が朝いちばんで心配の声をかけてくれて、⁡1日分のビタミン🍋を渡してくれました。心遣いがうれしくて、気を確かに持ってがんばらないとな、と思えました。

【発症から8日】悔しくて泣いて、出費も嵩む

2023年8月21日
この日はひさびさに担任の先生の授業の日でした。(とよもとが通っていた訓練校では、専門分野ごとに講師の先生は変わるのですが、そのなかでも入校から修了までみてくださる担任の先生がいました)
今の状況については前もってお知らせしてあったのですが、授業が始まる前にあらためて簡単に声を掛けておこうと思って話し始めたら、なんか急にすごくかなしくなって、⁡ぜんぜん涙が止まらなくて自分でもびっくりしました。

トヨモト
トヨモト

自分としては「いや〜まいったぜ〜!休み休みやってくしかないわね〜」くらいの感じで受け止めてるつもりだったのに、全然そんなことなかったんだな…そりゃそうか…と、このとき思い知りました。悔しくてなぜか情けなかった。⁡

⁡そしてこの頃は、夜中に何度も目が覚めてしっかり寝られていないからか、頭が重くて身体がだるい日々が続いていました。⁡
なんとか眠れるように、いろいろと工夫しました。

↑は、寝るときにまぶたを閉じるために使っていたテープ
粘着の強さやはがしやすさを調整して、ついにいい感じのやつに出会ったときの投稿です。
これ以外にもアイマスクも何種類か試したし、目が乾くので目薬も必須で…本当に出費が嵩みました。

【発症から10日】1度目の経過観察

2023年8月23日
この日はハローワーク来所日で授業はなし。経過観察のため病院へ行きました。

⁡⁡発症から10日経ち、⁡⁡うろたえていていい時期はもう終わりだな…と思いました。
⁡授業と課題に取り組みながら、就活をどう進めていくかを考えないと⁡いけない焦りがありました。⁡⁡

【発症から19日】就活を再開

2023年9月1日
少しづつ顔の動きがましになってきたので、このあたりから転職エージェントとの面談などを再開しました。
周りに比べて遅れを取っているのは確実だったので、内心焦りはありましたが、まあ焦ってもどうこうなるわけではないので、いっこずつやっていこう、という気持ちでした。

【発症から28日】職業訓練校の修了式

2023年9月11日
この日は訓練校の修了式⁡でした。
授業→修了式→飲み会、という日だったので、写真を撮るタイミングがたくさんありました。
この頃には、麻痺による顔のゆがみがかなり少なくなっていたので、それは本当にほっとしました。みんなと笑って写真が撮れてよかった。

【発症から約1ヶ月】2度目の経過観察

2023年9月13日
経過観察で大学病院へ。⁡
⁡「もうほとんど元の状態に戻っている。かなり回復が早い」とのことで、マッサージもリハビリも必要ないという判断で、先生には「あまり顔を冷やさないように」とだけ言われました。
念のため、頭部MRIは予定通り撮ることに。
⁡薬はもう一ヶ月続けて、翌月にまた経過観察となりました。⁡

【発症から約2か月】4度目の経過観察

2023年10月11日
翌日から派遣で就業が決まった会社でWEBデザイナーとして働くことが決まっており、この日が無職最終日でした。
⁡病院に行って経過を診てもらい、MRIの検査結果を聞きました。

⁡この頃には、もうほとんど目に見えるような症状は出なくなっていました。⁡
診察のとき、先月撮った頭部MRIの結果について何も言及されなかったので、自分から確認したのですが「あ、特に異常ありませんでしたね〜」とだけ言われました。⁡(撮った画像?見れると思ってちょっとわくわくしてたんですが、なにも見せてもらえなくて残念だった)

この診察で、むこう1ヶ月分の飲み薬を処方され、以降は自分でそれを一日3回飲む日々となりました。

診察のあとハローワークに出向き、最後の手続きと、お世話になった担当の方にご挨拶しました。

【発症から約3ヶ月半】最後の診察

2023年11月25日
この日が最後の診察でした。
今後は、処方されて手元にまだある薬を飲み切ること、反射の作用で閉じるつもりのないときに目が閉じてしまう症状があるので、自分でリハビリ(というかトレーニング)していくこと、となりました。

まだあれから3ヶ月しか経っていないのか…と思ったのを覚えています。
いろんなことがありすぎて、もっと遠い昔のことのよう。

先生からは、最後に「再発するかどうかは運と言ってもいい。とにかく健康にストレスなく過ごすことを心がけて、なにかあればすぐ診せてください」と言われました。

元のように戻ることが約束されている症状ではないので、先生も驚くほどのはやさで回復したのは、幸運だったと言うよりほかありません。
そして「この症状は一刻も早く診断を受け治療を開始した方がよい」と判断できる知識があったことが、様々重なった幸運のうち一番大きなことだったと思っています。

発症当時から何度も読み返したこのページにも大変感謝しています。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会>顔面神経麻痺ってどんな病気?原因・治療・リハビリまで

今でもふとした瞬間に、きちんと顔の筋肉が動いているか確認してしまう瞬間があります。


これからも、自分の身体と心を労わって過ごしていきたいと思っています。

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